家族信託とは?仕組み・費用・メリットを図解でわかりやすく解説

家族信託とは何か、仕組み・費用相場・メリット・デメリットを初心者向けにわかりやすく解説。認知症対策として注目される理由や成年後見制度との違いも紹介します。

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【最短回答】家族信託とは?

信頼できる家族に財産の管理・処分を任せる契約です。認知症で判断能力が低下する前に結んでおくことで、銀行口座の凍結や不動産の売却ができなくなるリスクを防げます。

  • 費用目安 → 専門家に依頼で30〜100万円、自分で手続きなら数万円〜
  • 対象 → 親が元気なうちに子が受託者になるケースが多い
  • メリット → 認知症になっても口座凍結を防げる

※ 家族信託は法律・税務に関わる制度です。具体的な手続きは必ず司法書士・弁護士などの専門家にご相談ください。



家族信託の仕組みをわかりやすく解説

家族信託には「委託者」「受託者」「受益者」の3者が登場します。難しそうに見えますが、実はとてもシンプルです。

役割誰がなる?何をする?
委託者親(財産を持つ人)財産を信託する
受託者子(信頼できる家族)財産を管理・運用する
受益者親(利益を受ける人)管理された財産の利益を受ける

たとえば、80歳の父親(委託者=受益者)が、50歳の長男(受託者)に自宅と預貯金の管理を任せる契約を結びます。

父親が認知症になっても、長男が父親のために自宅を売却したり、預貯金を引き出して介護費用に充てたりできます。

ポイント: 財産の名義は受託者(子)に移りますが、利益を受けるのは受益者(親)のままです。つまり、親の財産を子が「預かっている」状態であり、贈与にはなりません。


家族信託が注目される理由|認知症リスク

家族信託が近年注目されている最大の理由は、認知症による「資産凍結」を防げるからです。

厚生労働省の推計によると、2025年時点で65歳以上の認知症患者数は約700万人、5人に1人の割合です。認知症になると法律上「判断能力がない」とみなされ、以下の問題が発生します。

できなくなること具体例
銀行口座の引き出し介護費用・生活費が引き出せない
不動産の売却自宅を売って施設入居費用に充てられない
定期預金の解約まとまった資金が使えない
保険の解約保険金を受け取れない

家族信託を事前に結んでおけば、認知症になっても受託者(子)が代わりにこれらの手続きを行えます。

実際にあるケース: 「父が認知症になり銀行口座が凍結された。介護施設の費用が毎月15万円かかるのに、引き出せない…」という相談は少なくありません。家族信託はこうした事態を防ぐ「転ばぬ先の杖」です。


家族信託の費用相場

家族信託にかかる費用は、「自分で手続きする場合」と「専門家に依頼する場合」で大きく異なります。

専門家(司法書士・弁護士)に依頼する場合

項目費用目安
コンサルティング費用5〜15万円
信託契約書の作成10〜30万円
公正証書の作成費用3〜10万円
不動産の信託登記10〜20万円
登録免許税(固定資産評価額の0.4%)実費
合計30〜100万円程度

自分で手続きする場合

項目費用目安
公正証書の作成費用3〜10万円
登録免許税実費
合計数万円〜15万円程度

自分で手続きする場合は大幅に費用を抑えられますが、契約書の内容に不備があると将来トラブルになるリスクがあります。財産額が大きい場合や不動産が含まれる場合は、専門家への依頼をおすすめします。

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家族信託のメリット5つ

1. 認知症になっても口座凍結を防げる

最大のメリットです。成年後見制度と違い、家庭裁判所の関与なしに受託者が柔軟に財産を管理できます。

2. 不動産の売却・活用がスムーズ

受託者の判断で自宅を売却して介護施設の入居費用に充てるなど、柔軟な対応が可能です。

3. 遺言の代わりになる(遺言代用信託)

信託契約の中で「親が亡くなったら、残った財産は長男に」と決めておけば、遺言書を別途作成する手間が省けます。

4. 二次相続まで指定できる

遺言では「自分の次」までしか決められませんが、家族信託では「自分→配偶者→長男」のように数世代先まで指定できます。

5. 裁判所が関与しないため柔軟

成年後見制度のように毎年の報告義務や裁判所の監督がないため、手続きの負担が少なく、自由度の高い運用ができます。


家族信託のデメリット・注意点

メリットが多い家族信託ですが、知っておくべきデメリットもあります。

1. 初期費用がかかる

専門家に依頼すると30〜100万円の費用がかかります。ただし、認知症による口座凍結のリスクを考えると、長期的にはコスト以上のメリットがある場合が多いです。

2. 受託者を引き受ける家族が必要

信頼できる家族がいない場合は、家族信託を利用できません。兄弟間の関係が悪い場合も、受託者選びでトラブルになることがあります。

3. 税務上の優遇はない

家族信託自体に相続税の節税効果はありません。あくまで「管理の仕組み」であり、節税対策は別途検討が必要です。

4. 身上監護はできない

入院手続きや施設の入所契約など、本人の身の回りに関する手続き(身上監護)は家族信託の範囲外です。身上監護が必要な場合は、成年後見制度との併用を検討しましょう。

5. 契約後の変更が難しい

一度契約を結ぶと、委託者の判断能力が低下した後は原則として変更できません。契約内容は慎重に決める必要があります。


家族信託と成年後見制度の違い

認知症対策として比較されることが多い「家族信託」と「成年後見制度」。それぞれの違いを表で整理しました。

項目家族信託成年後見制度(法定後見)
開始時期判断能力があるうちに契約判断能力低下後に申立て
管理者家族(受託者)裁判所が選任(弁護士等の場合も)
裁判所の関与なしあり(毎年報告義務)
不動産の売却受託者の判断で可能裁判所の許可が必要
費用初期30〜100万円月2〜6万円の報酬が継続的に発生
身上監護できないできる
柔軟性高い低い(裁判所の監督下)
二次相続の指定できるできない

結論: 元気なうちに備えるなら「家族信託」、すでに判断能力が低下しているなら「成年後見制度」という使い分けが基本です。

※ どちらの制度が適しているかは個別の状況によります。専門家(司法書士・弁護士)に相談されることをおすすめします。


家族信託が向いている家庭

以下に当てはまるご家庭は、家族信託の検討をおすすめします。

向いている家庭:

  • 親が70代以上で、将来の認知症に備えたい
  • 親名義の不動産があり、いずれ売却や活用を考えている
  • 親の預貯金で介護費用をまかなう予定がある
  • 遺言だけでは不安(二次相続まで決めたい)
  • 兄弟間の信頼関係があり、受託者になれる人がいる

向いていない家庭:

  • すでに親が認知症と診断されている(→成年後見制度を検討)
  • 受託者になれる家族がいない
  • 信託に回す財産がほとんどない

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家族信託の手続きの流れ

家族信託の一般的な手続きの流れは以下のとおりです。

ステップ1:家族で話し合う(1〜2週間)

まず、親と子で「なぜ家族信託が必要か」「誰が受託者になるか」「どの財産を信託するか」を話し合います。兄弟がいる場合は全員に説明し、同意を得ておくことが大切です。

ステップ2:専門家に相談する(1〜2週間)

司法書士や弁護士に相談し、家族信託が適切かどうか、契約内容の方向性を決めます。初回相談は無料の事務所も多いです。

ステップ3:信託契約書を作成する(2〜4週間)

専門家と相談しながら、信託契約書を作成します。公正証書で作成するのが一般的です。

ステップ4:信託口口座を開設する(1〜2週間)

受託者名義の「信託口口座」を銀行で開設し、信託する預貯金を移します。

ステップ5:不動産の信託登記をする(1〜2週間)

不動産がある場合は、法務局で信託登記を行います。

全体の期間目安: 2〜3ヶ月程度


よくある質問(FAQ)

Q. 家族信託はいくらから利用できますか?

A. 金額の下限はありません。ただし、専門家への依頼費用(30〜100万円)を考えると、信託する財産が1,000万円以上あるケースで検討される方が多いです。

Q. 家族信託は自分でもできますか?

A. 法律上は可能です。ただし、契約書の不備による将来のトラブルリスクがあるため、少なくとも専門家のチェックを受けることをおすすめします。

Q. 認知症になってからでは遅いですか?

A. はい。家族信託は委託者(親)に判断能力があることが前提です。認知症が進行してからでは契約が無効になる可能性があります。「まだ元気なうち」に始めることが重要です。

Q. 家族信託に税金はかかりますか?

A. 信託設定時に贈与税はかかりません(受益者=委託者の場合)。ただし、信託財産から生じる収入には所得税がかかり、委託者が亡くなった場合は相続税の対象になります。

Q. 受託者が先に亡くなった場合はどうなりますか?

A. 信託契約の中で「後継受託者」を定めておけば、自動的に次の受託者に引き継がれます。定めていない場合は、委託者と受益者の合意で新しい受託者を選びます。


まとめ

家族信託は、親が元気なうちに子に財産管理を託す仕組みです。

  • 認知症による口座凍結・不動産の売却不能を防げる
  • 成年後見制度より柔軟で、裁判所の関与がない
  • 費用は30〜100万円だが、長期的にはメリットが大きい
  • 親の判断能力があるうちに契約が必要

「まだ大丈夫」と思っている間に準備を始めることが、家族信託で最も大切なことです。まずは無料相談で、ご家庭に合った方法を確認してみてはいかがでしょうか。

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終活ガイド編集部
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