60代からの終活|何から始める?やることリスト10選
60代から始める終活のやることリスト10選を解説。エンディングノート・財産整理・保険の見直し・家族信託・デジタル終活など、何から始めるか優先順位つきで紹介します。
【最短回答】60代の終活、何から始める?
まずは「エンディングノート」を書き始めることをおすすめします。 自分の情報を整理するだけで、何をすべきかが自然と見えてきます。
- 最初の一歩 → エンディングノートに自分の情報を書き出す
- お金まわり → 財産の棚卸しと保険の見直し
- 家族のため → 医療・介護の希望を伝えておく
※ 終活の内容は個人の状況により異なります。法律・税務に関わる事項は専門家にご相談ください。
60代で終活を始めるべき理由
「終活」と聞くと「まだ早い」と感じるかもしれません。しかし、60代こそ終活を始めるベストなタイミングです。
60代で始める3つのメリット
| メリット | 理由 |
|---|---|
| 体力・判断力がある | 70代後半になると体力の衰えや認知機能の低下で難しくなる |
| 時間に余裕がある | 定年退職後、自分のペースで進められる |
| 選択肢が多い | 家族信託など「元気なうちに」しかできない手続きがある |
70代以降では遅い?具体的なリスク
- 認知症のリスク: 65歳以上の約5人に1人が認知症になるとされている。判断力が低下すると、家族信託や遺言書の作成ができなくなる
- 突然の入院・介護: 準備が何もないまま入院すると、家族が対応に困る
- 相続トラブル: 財産の整理や遺言がないまま亡くなると、遺族間で争いになるケースも
60代のうちに「考えるだけ」でもスタートすれば、家族への大きな贈り物になります。
やること1:エンディングノートを書く
終活の第一歩として最もおすすめなのが、エンディングノートです。遺言書と違って法的効力はありませんが、自分の情報や希望を整理するのに最適です。
エンディングノートに書くこと
| 項目 | 書く内容 |
|---|---|
| 自分の基本情報 | 氏名・生年月日・住所・本籍地 |
| 財産の情報 | 預金口座・不動産・保険・年金 |
| 医療・介護の希望 | 延命治療の希望・臓器提供の意思 |
| 葬儀の希望 | 葬儀の規模・宗派・呼んでほしい人 |
| お墓の希望 | 埋葬方法・墓地の場所 |
| 連絡先リスト | 親族・友人・かかりつけ医の連絡先 |
| デジタル情報 | SNSアカウント・サブスク・パスワード管理方法 |
| 家族へのメッセージ | 感謝の言葉・伝えたいこと |
エンディングノートの選び方
- 市販のノート: 書店で500〜2,000円程度。項目が印刷されていて書きやすい
- 無料ダウンロード: 自治体やNPO法人がPDFを配布していることも
- アプリ: スマホアプリなら書き直しも簡単
ポイント: 一度に全部書こうとせず、書ける項目から少しずつ始めましょう。完成が目的ではなく、「考えるきっかけ」にすることが大切です。
やること2:財産の棚卸しをする
自分がどのくらいの財産を持っているかを一覧にすることは、終活の基本中の基本です。
棚卸しすべき財産の一覧
| 種類 | 確認すること |
|---|---|
| 預貯金 | 銀行名・支店名・口座番号・残高の概算 |
| 不動産 | 自宅・土地・収益物件の有無と評価額 |
| 有価証券 | 株式・投資信託・債券 |
| 生命保険 | 保険会社・証券番号・受取人・保険金額 |
| 年金 | 種類(国民年金・厚生年金等)・受給額 |
| 借入金 | 住宅ローン・その他の負債 |
| その他 | 車・貴金属・骨董品・会員権など |
財産の棚卸しのコツ
- まず「通帳」を全部集める → これだけで預貯金の全体像がわかる
- 保険証券を引っ張り出す → 意外と忘れている保険がある
- 不動産は固定資産税の通知書を確認 → 評価額の目安がわかる
- 借金がある場合は金額と返済計画も記載 → 相続時に重要な情報
なぜ必要か: 財産の全体像がわからないと、家族信託や遺言書の作成ができません。また、亡くなった後に家族が財産を探し回ることになり、大きな負担になります。
やること3:保険を見直す
60代は保険の見直しに最適な時期です。子どもが独立し、住宅ローンが完済に近づくなど、ライフステージが変わっているはずです。
見直しのポイント
| 保険の種類 | 見直しの視点 |
|---|---|
| 死亡保険 | 子が独立していれば高額な死亡保障は不要かも |
| 医療保険 | 高額療養費制度があるため、過剰な保障は不要かも |
| がん保険 | 60代以降はがんのリスクが上がるため、必要性を再検討 |
| 個人年金保険 | 受取開始時期と金額を確認 |
| 介護保険(民間) | 公的介護保険で不足する分を補えるか確認 |
60代で特に確認すべきこと
- 保険料の総額と保障内容のバランス → 月々の保険料が年金生活で払い続けられるか
- 保険金の受取人 → 配偶者・子の名義が正しいか確認
- 保険金の請求方法 → 家族が請求できるよう、保険証券の場所と連絡先を共有
やること4:家族信託を検討する
家族信託とは、信頼できる家族に財産の管理を任せる仕組みです。認知症になって判断力が低下しても、家族が代わりに財産を管理できるようになります。
60代で家族信託を検討すべき理由
- 認知症になってからでは契約できない → 元気なうちに備える必要がある
- 銀行口座の凍結を防げる → 認知症になると口座からお金を引き出せなくなる
- 不動産の売却が可能 → 介護施設の費用に充てるために自宅を売ることができる
費用の目安
| 項目 | 費用 |
|---|---|
| 専門家に依頼する場合 | 30〜100万円 |
| 自分で手続きする場合 | 数万円〜15万円 |
費用は安くありませんが、認知症による口座凍結のリスクを考えると、不動産や一定以上の預貯金がある方は検討する価値があります。
※ 家族信託は法律・税務に関わる制度です。詳しくは司法書士・弁護士にご相談ください。
やること5:お墓・供養の方法を考える
お墓や供養の方法は、近年とても多様化しています。60代のうちに自分の希望を考えておきましょう。
主な供養の方法と費用
| 方法 | 費用の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 一般墓(家族墓) | 100〜300万円 | 従来型。代々引き継ぐ |
| 樹木葬 | 20〜80万円 | 自然に還る。管理が楽 |
| 納骨堂 | 30〜150万円 | 屋内で天候を気にせずお参り |
| 永代供養墓 | 10〜100万円 | 後継者がいなくてもOK |
| 散骨(海洋散骨等) | 5〜30万円 | 自然に還る。お墓が不要 |
| 手元供養 | 1〜10万円 | 遺骨の一部を自宅で保管 |
考えるべきポイント
- 後継者がいるか: お墓を守る人がいない場合は、永代供養や樹木葬が選択肢
- 家族の意見: 自分の希望と家族の考えが異なる場合もある。事前に話し合いを
- 費用と維持費: 初期費用だけでなく、年間管理費(年5,000〜2万円程度)も考慮
やること6:住まいの整理・断捨離をする
60代は**「住まいの整理」を始める絶好のタイミング**です。体力があるうちに少しずつ物を減らしておくと、将来の施設入居や引越し、遺族の遺品整理の負担が大幅に軽くなります。
断捨離の進め方
| 場所 | ポイント |
|---|---|
| 押入れ・クローゼット | 1年以上使っていないものは処分候補 |
| 書斎・書棚 | 読まない本は図書館に寄贈やリサイクル |
| キッチン | 使っていない食器・調理器具を整理 |
| 物置・屋根裏 | 存在を忘れていたものは不要な可能性が高い |
| 写真・思い出の品 | デジタル化して保存。原本は厳選して残す |
「生前整理」という考え方
断捨離の延長として、生前整理という考え方があります。自分が亡くなった後に家族が困らないよう、物と情報を整理しておくことです。
- 物の整理: 不要なものを処分し、必要なものを整理する
- 情報の整理: 通帳・保険証券・契約書類をまとめて保管場所を家族に伝える
- 人間関係の整理: 連絡先リストを作り、「もしもの時」に知らせてほしい人を決める
やること7:デジタル終活をする
スマホやパソコンに保存されたデータ、SNSアカウント、サブスクリプション(定期課金サービス)も、終活の対象です。
デジタル終活で整理すべきもの
| 項目 | やること |
|---|---|
| SNSアカウント | 使っていないアカウントは削除。使用中のものはIDを記録 |
| メールアカウント | 重要なメールアカウントのID・パスワードを記録 |
| サブスクリプション | 動画配信・音楽配信・新聞電子版等の契約一覧を作成 |
| ネットバンキング | 銀行のオンライン口座のID・パスワードを記録 |
| スマホのロック | 緊急時にスマホを開けるよう、ロック解除方法を家族に伝える |
| 写真データ | 大切な写真はバックアップ。不要な写真は整理 |
| 課金サービス | ゲーム課金・有料アプリの確認 |
パスワードの管理方法
- エンディングノートに記載: 紛失や他人の目に触れるリスクに注意
- パスワード管理アプリ: マスターパスワードだけを家族に伝える
- 封書に入れて金庫に保管: アナログだが確実な方法
注意: サブスクリプションは解約しないと毎月費用が発生し続けます。亡くなった後に家族が解約できるよう、契約一覧と解約方法を残しておきましょう。
やること8:医療・介護の希望を決める
自分がどのような医療・介護を受けたいかを決めて、家族に伝えておくことは、終活の中でも特に重要です。
決めておくべきこと
| 項目 | 選択肢の例 |
|---|---|
| 延命治療 | 希望する/希望しない/家族に任せる |
| 人工呼吸器 | 希望する/希望しない |
| 胃ろう(経管栄養) | 希望する/希望しない |
| 臓器提供 | 希望する/希望しない |
| 介護の場所 | 自宅で過ごしたい/施設に入りたい |
| かかりつけ医 | 病院名・医師名・連絡先 |
| アレルギー・持病 | 薬のアレルギー・服用中の薬 |
「事前指示書(アドバンス・ディレクティブ)」
医療の希望を書面にしたものを**「事前指示書」**と呼びます。法的な拘束力はありませんが、医療現場で本人の意思を確認する際に重要な資料になります。
書き方のポイント:
- エンディングノートに記載する方法が簡単
- より正式に残したい場合は、かかりつけ医と相談して作成
- 家族にも内容を伝えておく(書いただけでは見つけてもらえない)
やること9:葬儀の希望を伝えておく
自分の葬儀について希望を伝えておくと、遺族が判断に迷わずに済みます。
決めておきたいこと
| 項目 | 選択肢の例 |
|---|---|
| 葬儀の規模 | 家族葬/一般葬/直葬(火葬のみ) |
| 宗教・宗派 | 仏式(宗派名)/神式/キリスト教式/無宗教 |
| 費用の目安 | いくらまで(または保険で賄う) |
| 参列者 | 呼んでほしい人・呼ばなくてよい人 |
| 遺影写真 | 使ってほしい写真を選んでおく |
| 棺に入れてほしいもの | 趣味の品・思い出の品など |
葬儀費用の目安
| 葬儀の種類 | 費用の目安 |
|---|---|
| 一般葬 | 100〜200万円 |
| 家族葬 | 30〜100万円 |
| 直葬(火葬のみ) | 10〜30万円 |
ポイント: 葬儀費用は急に必要になるお金です。どこから費用を出すか(預貯金・生命保険・互助会の積立など)も決めておくと、家族が慌てずに済みます。
やること10:家族と共有する
終活で最も大切なのは、準備した内容を家族と共有することです。どんなに立派なエンディングノートを書いても、家族が存在を知らなければ意味がありません。
共有すべき5つの情報
- エンディングノートの保管場所
- 通帳・保険証券・不動産関係書類の保管場所
- 医療・介護の希望(延命治療・かかりつけ医)
- 葬儀の希望(規模・宗派・参列者)
- デジタル情報の管理方法(パスワード・サブスク一覧)
家族との話し合いのコツ
- 「終活」という言葉を使わなくてもよい → 「ちょっと整理しておきたいことがあるんだけど」程度のニュアンスで
- 食事の場やリラックスした場面で → 改まった場だと身構えてしまう
- 一度に全部伝えなくてよい → 「まず保険のことだけ」など少しずつ
- 相手の気持ちも尊重する → 子世代が「まだそんなことを考えなくていい」と言う場合もある。無理強いしない
家族にとって、親が元気なうちに希望を聞けることは、将来の大きな安心材料になります。
終活の優先順位チェックリスト
10のやることを優先順位で整理しました。上から順に取り組むのがおすすめです。
| 優先度 | やること | 目安の時期 |
|---|---|---|
| 最優先 | エンディングノートを書き始める | 今日からでも |
| 最優先 | 財産の棚卸し | 1ヶ月以内 |
| 高 | 保険の見直し | 3ヶ月以内 |
| 高 | 医療・介護の希望を決める | 3ヶ月以内 |
| 高 | 家族信託の検討 | 半年以内 |
| 中 | デジタル終活 | 半年以内 |
| 中 | 住まいの整理・断捨離 | 1年かけて少しずつ |
| 中 | お墓・供養の方法を考える | 1年以内 |
| 中 | 葬儀の希望を伝える | 1年以内 |
| 継続 | 家族と共有する | 定期的に |
すべてを完璧にやる必要はありません。 「最優先」の2つだけでも始めれば、大きな前進です。
よくある質問(FAQ)
Q. 終活はいつから始めるべきですか?
A. 早いに越したことはありませんが、60代が最適です。体力・判断力があり、定年退職後で時間にも余裕がある時期だからです。「まだ早い」と思った時が始め時です。
Q. エンディングノートと遺言書の違いは?
A. エンディングノートには法的効力がなく、自由に書ける情報整理ツールです。遺言書は法的効力があり、財産の分け方を法的に有効な形で残すものです。まずはエンディングノートから始め、必要に応じて遺言書を作成するのがおすすめです。
Q. 終活にお金はかかりますか?
A. エンディングノートと断捨離はほぼ無料で始められます。家族信託(30〜100万円)や遺言書の作成(数万〜数十万円)は費用がかかりますが、必要な方だけ検討すれば大丈夫です。
Q. 配偶者と一緒に終活すべきですか?
A. はい、できれば一緒に進めることをおすすめします。お互いの希望を共有でき、財産の棚卸しもスムーズに進みます。ただし、片方が乗り気でない場合は無理強いせず、自分の分だけ先に始めましょう。
まとめ
60代からの終活は、「まだ早い」のではなく「ちょうどいい」タイミングです。
- まずはエンディングノートから。書けるところから少しずつ
- 財産の棚卸しをして全体像を把握する
- 家族信託は認知症になる前でないと手続きできない
- デジタル終活も忘れずに。サブスクやSNSの整理
- 何より大切なのは、準備した内容を家族と共有すること
終活は「死の準備」ではなく、**「残りの人生をより安心して過ごすための整理」**です。一気にやろうとせず、できることから一歩ずつ始めてみてください。
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